アメリカの小学校で行われているフォネミック・アウェアネスという子供向けの英語学習法を日本人向けに解説。
上達に必須なのは、やはり英語を聴き取る力!『アメリカの小学校ではこうやって英語を教えている』のレビューです。
内容など
本場アメリカの小学校で実践されている英語教育についての本。
近年、アメリカでは移民が多く、「英語が話せない」アメリカ人が増えているそうですが、彼らのために行われている英語教育を解説したのが本書。
フォネミック・アウェアネス(音素認識)という「英語が話せない、読めない、書けない」移民の子どもたちのために開発されたという学習法の基本理論や練習法が勉強できる内容になっています。
フォネミック・アウェアネスとは早い話、英語の音に注目した練習法。
英語をきちんと読める子どもを育てるためには、英語をきちんと聞き取れる子どもを育てることが重要で、そのために手法として、聞き取りに力を入れた学習法になっています。
フォネミック・アウェアネス 7つのステップ(P13)
1・ライミング:単語の終わりの音に注目する。
例)king/ring/sing
2・アリタレーション:単語の始めの音に注目する。
例)Sumiko sits in the seat.
3・シラブルとオンセット・ライム:単語の音をグループに分かる。
例)win/dow
4・ブレンディング:音をつなげて単語を作る。
例)c+a+t→cat
5・音の位置を確認:始め、真ん中、終わりの音に注目する。
6・セグメンティション、音を数える:単語の音をバラバラにして、音を数える。
7・音の操作:単語の始めや終わりの音を置き換える。
例)man→mをpに変える→pan
最初、この本を読んだ時、「これはいわゆるフォニックスではないか?」と思ったのですが、実際にはフォニックスとは違うようです。
フォニックスの場合は、言葉の音と文字を結びつけてアルファベットの文字と発音を覚える方法です。
一方、フォネミック・アウェアネスの場合は、話し言葉が、音と音で成り立っていて、それを様々な方向から確認し、子どもにフォニックスを教える前に言葉の音に注目させようという考え方です。
つまり、フォネミック・アウェアネスがしっかりできている子どもは、フォニックスの理解と上達がスムーズになるということです。
この本では、フォネミック・アウェアネスの基本理論や練習法が分かりやすくまとめられているので、フォニックスに関心がある方は、一読しておくと、理解が深まるかも。