英会話はまず中学英語から。『なぜあの人は、中学英語でもネイティブと仕事ができるのか?』のレビュー

英会話は中学英語ができれば問題なし!?

ネイティブの視点から、なぜ日本人が英語が話せないのか?話せる人はどう違うのか?その秘密を公開中。

この本について

「中学英語レベル」でもネイティブとの英会話ができることを主張した本。

シンプルな英語で、ネイティブと会話、ネイティブから好かれ、会話が続くにはどうすればいいのか、「へぇ、そうなんだ!」と分かりやすく理解できる内容になっています。

日本人が英語を話せない理由

本書の著者は、長年日本で英語講師に携わってきたというネイティブのマット・カーターさん。

カーターさんによると、日本人が英語ができないのは、日本人に基礎力がないからではなくて、ネイティブと同レベルの、英語への完璧主義的なもの、「幻のパーフェクトイングリッシュ」の追求があるからだと言います。(P25)

何かと批判を受ける日本の英語教育ですが、発音、文の構造化、思考への理解など、実際には世界の中でもトップクラスの高水準の教育だそう。(P4~5)

「英語ができないコンプレックスを持つ日本人ですが、実際には基礎力が高く、やり方次第、考え方次第で英語が使えるようになる!」というのがカーターさんの主張です。

目指すべき方向は

では、日本人が英語を話せるようになるために、どんな方向を目指せばいいのか?

カーターさんが私達日本人に提唱するのは、完璧な英語を身につけることではなく、「Good communicator」(=コミュニケーションが上手くできる人)を目指すこと。

もともと、英語には多様性があり、「これが絶対正しい!」という英語はありません。

それに、英語はあくまでコミュニケーションのツール。相手と言葉でコミュニケーションをするためのものであり、発音の上手さ、流暢さを競うものではありません。

そこで、日本人が目指すべきは、ネイティブとのコミュニケーションが潤滑にできるよう、相手の意図を汲み取ったり、自分の思うことを相手にきちんと伝えるコミュニケーション技術を身につけることが大切だそう。

ほんの小さなことから

挨拶するとき、ちょっとした世間話するとき、言葉やボディランゲージで相手とのコミュニケーションを上手くする「Good communicator」になること。

これを目指すことが、英語上手への道。

技術論、勉強論の話が英会話の本には多いですが、この本は、英語=コミュニケーションであることを第一に、英語上達を考える内容。

読んでいて、「ハッ」とする内容が多く、勉強になりました。

確かに、英語は言葉。言葉は人との意思疎通、コミュニケーションのためのもの。何のために英語を覚えるのか、身につけるのか、考えてみるきっかけになった本でした。

評価(☆5つが最高得点)

分かりやすさ:☆☆☆☆

充実度:☆☆☆☆

難易度:☆☆☆☆☆

初心者向け度:☆☆☆☆

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