世界の名作で英語を読む&聴く!
ディケンズからオスカー・ワイルド、ホイットマン、ヘミングウェイ、エマソン、ポール・オースターまで、英米の読んでおきたい文学が勢ぞろい!
『英語達人読本』の読書感想です。
『英語達人読本』について
2009年10月頃に出会って以来、折に触れて使っている一冊。初心者向けの内容ではないですが、内容が大変素晴らしく、購入以来折に触れて未だに使用しているのでご紹介させていただきます。
この本のコンセプトは、『名文学で英語を読む・聴く』。ディケンズのオリバー・テゥイストやアメリカの古典で、今なお大きな影響を持つエマソンなど、海外の有名文学作品が収録されています。
『老人と海』のヘミングウェイ、『トム・ソーヤの冒険』のマーク・トウェインなど、有名な文学作品が中心になっています。
また、新渡戸稲造の『武士道』も収録されており、個人的にはかなり満足。本の形式ですが、文学作品の引用+作品の解説という作りになっています。そのため、1つ1つの作品をじっくり読むという感じではありません。
とはいえ、作者と時代背景が紹介されており、一般的な教養を深められる内容になっています。この点、時事ニュースなど無味乾燥な英文を読み飽きた方にはよい教材になると思います。
英米文学の要点が分かる!
個人的には、エマソンの『自然』、ホイットマンの『おお、船長!我が船長!』、ポール・オースターの『ガラスの都市(シティ・オブ・グラス)』が好み。
私は大学時代、アメリカ文学を専攻していたのですが、エマソンのことは、名前だけで、その著作にハマッたのは日が浅いです。
社会人になって『自己信頼』や『自然について』を読み、大変感銘を受けました。
エマソンは、日本人にはあまりなじみがないかもしれませんが、アメリカの精神的なリーダーとも言える存在。
その著作は、アメリカの著名人に多大な影響を与えています。特に自己啓発関連の著作には、エマソンからの引用が多々あります。
ホイットマンの『おお、船長!我が船長!』ですが、私はロビン・ウィリアムズ主演の映画『今を生きる』で知りました。英語で音読してみると、あらためて英詩も良いなぁと感じています。
個人的におすすめ
他の有名な英詩としては、アラン・ポーの『アナベル・リー』がおすすめです(岩波文庫なら500円くらいです:英語達人本には収録されていません)。
アラン・ポーの小説はあまり読まなかったんですが、詩はよく読みました。特に、『アナベル・リー』は学生時代に何度も読みました。
ポール・オースターは現代の作家です。代表作『ガラスの都市(シティ・オブ・グラス)』は、大学生時代に原書を読み、これで卒論を書いたので、個人的に愛着がある作品です。
とまぁ、このように欧米の名文学がギッシリ詰まった一冊です。収録されている原文は、簡単とは言えませんが、挑戦する価値が大いにあります。
また、音声CDもついています。これは、ピーター・バラカン氏がナレーションを担当(他に女性のナレーションがあります)しています。これだけでも1,000円以上払った価値があると思います。
下手なリスニング教材を購入するより、このCDのような質の高いものを使う方が、学習のメリットがあるような気がします。
対訳や作品解説がよいので、この点だけでも個人的に大満足。初心者の方でも、アメリカやイギリスの文学に興味があるなら、ぜひ手にとってみてください。