
英語を効率よく覚えて話せるようになる!
英語学習で大切なのは、「覚えたことを確実に身につける」ことです。そこでこの記事では、英単語や例文を覚える前に知っておきたい記憶の仕組みと、忘れにくい学び方をわかりやすく解説します。
効率的に英語を覚えたい方は、ぜひ参考にしてみてください。きっと、あなたの学習が一歩前進するはずです。
なぜ、英語を勉強しても覚えられない?
英語を勉強してもなかなか覚えられず、「なぜ自分は勉強が苦手なんだろう…」と悩んだことはありませんか?
せっかく時間をかけて英語を勉強したのに、すぐに忘れてしまう。そんなとき、自分を責めたくなる気持ちも、無理はないかもしれません。
ただ、一つぜひ認識してほしいことがあります。覚えたことを忘れてしまうのは、頭の良し悪しや勉強ができるかどうかとは関係ありません。
英語を勉強してもすぐに忘れてしまうのは、あなたが悪いのではありません。問題は、記憶のメカニズムに基づいた効果的な覚え方をしていないだけ、ということなのです。
この事実は、あなたにとって朗報になるはずです。
「忘れる」のは自然!
私たちの脳には、「忘れる」という機能が備わっています。実はそれは、私たちに与えられた素晴らしい能力なのです。
想像してみてください。もし覚えたことや経験したことをすべて「忘れられない」としたらどうなるでしょう?
良い経験はずっと覚えていられるかもしれませんが、嫌な経験も忘れられず、毎晩眠る前に思い出してしまったら、安心してぐっすり眠ることはできなくなってしまいます。
だから、「忘れる」ということは決してマイナスだけではありません。また、「勉強の向き不向き」とも全く関係がない、自然なことなのです。忘れることは決して恥ずかしいことでも、悪いことでもありません。
暗記は「忘れる」を前提に取り組む!
英会話を学び、英語力を伸ばしていくためには、基礎的な単語力の向上や英文法の理解が欠かせません。
そのため、コツコツ英単語を暗記したり、英文法を勉強しますが、ただ「やりっぱなし」では意味がありません。では、どうすれば覚えたことを忘れずに済むのでしょうか?
大切なのは、私たちの記憶のメカニズムを理解し、それに合った勉強法を実践することです。「英語を勉強しても忘れてしまう」ことを前提に、計画的に学習を進めていきましょう。
そのためにまず大切なのは、覚えたことをそのままにせず、必ず復習をセットにすること。これが英語の知識を確実に身につけるコツです。
脳には2つの記憶がある
あわせて重要なのは、私たちが記憶をどのように貯蔵しているのか、その仕組みを簡単に理解することです。
「覚える」と聞くと、「そのまま暗記する」というイメージを持つかもしれませんが、知識を闇雲に詰め込むことは、覚えにくいだけでなく、勉強自体にストレスを溜めてしまいます。
また、無理やり頭に詰め込む方法は、一時的には覚えた気になっても、3ヶ月や半年といった長期的なスパンではほとんど役に立ちません。
では、どうすれば効率よく暗記できるのでしょうか?そこで知っておきたいのが、「人間の脳のメカニズム」です。
人間の記憶には、主に2つの種類があります。短期記憶と長期記憶です。
短期記憶は数秒から数時間、長くて1日程度、脳に保管される記憶です。
例えば、試験前の一夜漬けで覚えた内容のほとんどは、この短期記憶にあたります。短期的には効果がありますが、時間が経つとほとんど忘れてしまいます。
一方、長期記憶は一生にわたって保存される記憶です。
たとえば、あなたの名前や卒業校、住んでいる町の名前などがそれにあたります。つまり、体にしっかり身についた記憶が長期記憶なのです。
ここで「ピン!」ときたかもしれませんが、しっかり暗記するには、覚えたことを短期記憶ではなく長期記憶に送り込むことが大切です。
一夜漬けのような超短期集中型の暗記は、その場しのぎにはなりますが、長期的にはあなたの力にはなりません。
英語を上達させるためには、覚えたことや勉強した知識を自分のものにして、半永久的に使えるような暗記法が必要です。
つまり、覚えたことをしっかり長期記憶に送り込むために、脳の特性に合わせたある方法を実践することがベストなのです。
| 記憶の種類 | 特徴 | 例 | 期間 | 効果的な暗記法 |
|---|---|---|---|---|
| 短期記憶 | 数秒から数時間、長くて1日程度脳に保管される記憶 | 試験前の一夜漬けで覚えた内容 | 数秒〜1日程度 | 一時的に覚えるには効果的だが、時間が経つとほとんど忘れてしまう |
| 長期記憶 | 一生にわたって保存される記憶 | 名前、卒業校、住んでいる町の名前など | 一生涯 | 反復学習などで繰り返し定着させる必要がある |
ポイント
・しっかり暗記するには、短期記憶ではなく長期記憶に送り込むことが大切です。
・一夜漬けはその場しのぎで、長期的な力にはなりません。
・英語を上達させるには、脳の特性に合わせた復習や反復学習を実践することがベストです。
覚えたことを長期記憶にするには?
人が何かを聞いたり見たりすると、その情報は一時的に「海馬」と呼ばれる脳の領域に保管されます。そして、脳がその情報を「重要だ」と判断したときに、長期記憶へと移されます。
では、どうすれば脳は覚えたことを重要だと判断するのでしょうか?答えはひとつ、「反復学習」(繰り返し学ぶこと)です。
脳は、何度も見たり聞いたりする情報を重要だとみなし、神経細胞のつながりを強化します。これが「記憶の定着」の仕組みです。
たとえば、人の名前。何度も会う人の名前は自然と覚えられますよね。これは、繰り返し会うことで記憶が強化されているからです。
覚えたことを忘れないためには、復習の習慣が欠かせません。中でも、「復習するタイミング」がとても重要です。
【重要】エビングハウスの忘却曲線に基づいた最強の復習タイミング
ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスの研究によると、人は学習した内容の約40%を20分後に、約70%を1日後に忘れてしまうといわれています(※無意味な音節を用いた実験による参考値)。
この「忘却のスピード」に対抗するためには、次のタイミングで復習するのが最も効果的です。
1回目: 覚えた直後(10分以内)
2回目: 翌日
3回目: 1週間後
4回目: 1ヶ月後
このスケジュールで復習を重ねることで、短期記憶にあった情報が徐々に長期記憶へと定着していきます。
試してみよう!暗記実践メニュー
以上、記憶の仕組みについてざっと見てきましたが、これからは具体的な暗記法についてまとめていきます。
これまでのポイントは、
1. 暗記は長期記憶にすること
2. 長期記憶にするには繰り返しが大切 → 復習を徹底する
の2点です。つまり、英語を勉強するときは「繰り返しの復習」を意識することが重要です。
そこで、英語の例文や単語を暗記するときは、1回の暗記量と復習をセットにした学習計画を立てましょう。
例えば、週に5日間英単語を暗記する場合は、5日のうち少なくとも1日は復習に時間を割きます。イメージとしては「4日覚えて1日復習」です。
「暗記が難しい!」という方は、1回の勉強量を減らして、その分復習に時間を多めに割きましょう。たとえば、5日のうち3日間覚えて2日間復習するイメージです。
何度も繰り返してしっかり暗記できれば、スピードはゆるやかでも確実に前進できます。英単語や例文を覚えるときは、復習を重ねることを意識するのが大切です。
ちなみに、英語が苦手で無理なく取り組みたい方には、このような方法もおすすめです。
まとめ
ここまでのまとめです。
私たちは、覚えたことを「忘れる」生き物です。それはごく自然なことです。だからこそ大切なのは、「忘れることを前提に英語を勉強し、自然に記憶に定着する形で必要な知識を身につけていく」ことです。
具体的には、
1. 復習を必ず行う
2. 復習は一度だけでなく、「何度も」「定期的に」行う
この2つを意識して英語の勉強に取り組むことが大切です。
「一度の勉強で覚えられなくてもいい」「勉強したことを忘れてしまってもおかしくはない」という前提で、焦らず継続して学習を続けましょう。
最後に
英語を覚えるための効果的なコツ。それは頭の良し悪しではなく、記憶のメカニズムを理解しているかどうかにかかっています。
大切なのは、何かを覚えたり暗記したら、必ず復習の時間を作ること。新しいことを覚えたら、まずはとにかく復習することが重要です。
いくら勉強して新しいことを暗記しても、覚えたことを忘れてしまっては効率的とは言えません。
だからこそ、覚えたことを忘れず、暗記した英語を自分のものにしていくために、復習を忘れないことが大切です。ぜひ参考にしてみてください。
【追記】効果的に英語を身につけたいあなたへ
ここまでご紹介した記憶のメカニズムや復習の重要性を理解しても、実際の学習計画を立てたり、続けるのは簡単なことではありません。
「自分ひとりだとモチベーションが続かない」
「どうやって復習すればいいか分からない」
そんなお悩みを抱えている方も多いでしょう。
そんなときは、英語コーチングを利用してみるのもひとつの方法です。英語学習を支援するプロのコーチがあなたの学習状況や目標に合わせて最適な学習プランを作成し、継続できるようサポートしてくれます。
効率的な復習方法や暗記のコツを具体的にアドバイスしてもらえるので、独学で挫折しやすい方にもおすすめです。
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もし興味があれば、ぜひ一度相談してみてください。あなたの英語学習がより確実に前進するきっかけになるはずです。

