将来、英語を使う仕事につきたいと思っています。それで大学は英文学科を第一に志望しています。英文学科を卒業すれば、英語を話せるようになりますか?
大学に入るなら、どの学部、どの学科に入学するのか。それが文字通り、将来の進路を決めます。
A・通う大学次第です。
私が卒業したのは京都の私立大学の文学部英文学科。
入学式、大きなホールに通され、そこでネイティブの先生の英語あいさつから私の大学生活は始まりました。
文学部というと、「遊び呆けて勉強しない」というイメージを持たれがち(と言われたことがあります)ですが、私の卒業した学科は1年から4年まで、ビッシリ英語の講義がありました。「英語を習う」講義だけでなく、「英語で」習う講義が中心です。
・スパルタで有名な某アメリカ人講師のもとで学んだ日米文化比較論
・アメリカ人助教授のもとスティーヴン・クレインの『赤き武功章』を原書で読んだアメリカ文学論
・イギリス人教授のもとでいつ質問されるか分からない不安の中で学んだ英語史(一限目だったので朝起きるがきつかったことを覚えています)
・フィリピン人教授のもと、落第しないために必死で出席した英語習得理論
当初は英語での授業が不安でしたが、ダメ学生だった自分でも、何年もするうちに、それなりに使えるようになりました。大学を出た今となっては、私にとって、「英語で」授業を受けたという経験が、人生の大きな財産になっています。
なお私が在学中は2年間、田舎にある大きく新しい校舎に通うことになっていましたが、現在文学部の学生は京都の伝統的な校舎で4年間学べるそうで、とても羨ましく思います。
英語を頑張れる日本の大学
それで、大学の英文科に通えば、英語が話せるようになるか?
結論から言うと、しっかり、かつ厳しく英語教育に取り組んでいる大学や、英語で授業を行なっている大学なら、日本に居ながらアメリカ留学と同じような授業を受けることができます。
関東の私大ならICUや上智、津田塾、国立なら東京外語大学、中部地方なら南山、関西地方なら同志社や立命館など、語学で有名な学部を持つ大学なら、個人の意識の持ち方次第で日本にいながら英語を学ぶ必要性を実感し学生時代を送ることができるでしょう。
近年、英語重視で評判が良いのが秋田の国際教養大学。「英語で」バリバリ授業をやっていて、厳しく鍛えられるだけ、質の高い学生時代を送ることができるそう。
国際教養大学のように、学生をガンガン勉強させる大学、英語での講義(英語の講義ではありません)がある大学なら、海外留学と同等の効果があるのではないかと思います。
こんな場合は意味なし?
注意したいのは、英文学科なのに「レポートは日本語可、授業は日本語ばかり(リーディングなどの講義を除く)、ネイティブの授業なし。
あったとしても、「ネイティブが日本語を当たり前のように使う」というところです。そのような環境では、あまり英語の実力は伸びないのかもしれません。
また、「英文学科は英語の文学を習う場所だ!」というような、保守的な先生が多い大学も要注意。
国立大でも、「英文学科=イギリスの文学の解読と解釈ばかり」というところがあります。実用的な英語能力を習得したい場合、オープンキャンパスに参加して、大学側に確認しておくとよいでしょう。
帰国子女が多く、英語での授業が当たり前のように行われている大学なら、問題はないでしょう。自然と英語を話す機会は増えます。
「英語を習う」授業ではなく、「英語で」習う授業です。
例)イギリス文化をオールイングリッシュの講義で勉強する
すると、嫌でも英語を話さないといけなくなります(単位が取れません)ので、英語を頑張ることになります。このような環境なら、日本にいても十分英語力を伸ばせるはずです。
最後に
以上、英文学科を卒業したら英語が話せるようになるのか?ざっくばらんにご紹介しました。
英文学科と言っても環境はそれぞれです。ポイントはオールイングリッシュのカリキュラムで「ガチ」な環境で英語を学べるかどうか。
そこをクリアできれば、日本にいながら、必要最低限の英語を話せるようになるための力を身につけることは十分に可能です。
一方、英文学科なのに英語の授業は日本語ばりばりOK。そういう環境の場合、上達するためには大学以外、自分の努力が必要になってくるかもしれません。
「大学で英語を話せるようになりたい!」
という受験生の方は、参考にしてみてください。