この記事では日本人の英語学習者に大きな影響を与える可能性がある「返り読み」という日本式の英語和訳法の注意点についてご紹介しています。
「返り読み」についてその効果効能及びデメリットを知っておくことは、今後の英語学習の進捗に大きな影響を及ぼす可能性があります。ぜひ参考にご活用ください。
かんたんに言うと「日本語で」英語を訳す伝統的技術!
「返り読み」は英語を日本語で理解するために訳していく、英語を正確な日本語として理解するための方法です。例えば次のような訳し方が返り読みです。
I play tennis.
私はテニスをします。
(訳す語順:I → tennis → play)
英語本来の理解の方法としては、私は→します→テニスを、という流れで、英語を「語順のまま」理解するのが自然な方法で、英語上達の上で最終的には、語順のまま理解できるようになる必要があります。
一方、「返り読み」は英単語や語彙を訳し、並び替え、英語を理解します。そのため、英語を日本語として正確に「翻訳」し理解するには、とても適切な方法です。
「英語を正しい日本語に訳す」なら返り読みはメリットだらけ
そもそも返り読みは日本人が英語を理解するための読解法です。そのため、丁寧に和訳することができるので、難しい文章を日本語に訳す場合に便利です。
例えば英語の小説を日本語で理解するとき、必要に応じて返り読みをすることで、しっかりと原文の内容を理解することができます。
他のメリットとしては、英語と日本語、言語間の違いを理解できる点です。
「返り読み」をすることで、英語独自の文法を理解することになるので、日本語の文法との違いを知ることができます。言語間の違いを知ることで、文化的、価値観的な違いを理解できるというメリットは、実際にあります。
問題はここ!
反面、「返り読み」はあなたが英会話をスラスラこなしたり、TOEICなどの英語テストでハイスコアを取得したい場合。将来的に見れば英語力アップにストップをかけてしまう習慣でもあります。
英語をそのまま英語として理解するのではなく、日本語を大きく介在させて理解しようとするため、次のような問題が発生するからです。
英語脳が身につかない
「返り読み」中心に学習していると、英語本来の考え方が身に付かない場合があります。日本語に訳さなければ理解できないので、いつまでも英語脳が身につかない恐れがあります。
関連記事:英語脳が身につけば自由自在に英語を使いこなすことができる
英文を読むのに時間がかかりすぎる
「返り読み」の最大の欠点は時間がかかることです。
英語を日本語に訳して理解する方法なので、とても時間がかかります。そのため、大量の英文をリーディングするとき、特にTOEICなどの英語試験において支障をきたす可能性があります。
長文が頻出する英語試験では、返り読みの習慣が致命的な影響を及ぼします。「返り読み」は早急に改善する価値があります。
ただし、英語学習の初期段階や英語が苦手な方にとって、日本語を使って英語を理解するプロセスを経ることはとても大切です。詳しくはこちらをご覧ください。
「返り聴き」のクセがつく
普段から英語を「返り読み」で理解していると気になるのがリスニングです。英語を日本語で理解するクセがついていると、
英語を聴くと日本語に置き換えるクセがつく
↓
ナチュラルスピードの英語についていけない
↓
英語が聞き取れない・理解できない
↓
英会話なら会話が続かなくなる
というような状況に陥る可能性があります。そのため、英会話、英語の試験、将来的には様々な状況で英語の「壁」を実感するようになってしまいます。
最終的には「返り読み」を卒業するのが一番
ではどうすればいいか?
シンプルな結論としては、「返り読み」は英語学習の初期段階に限定して利用し、徐々に卒業していくことが望ましいでしょう。
最初に述べたとおり、日本語を用いて英語という外国語を理解する手段として、「返り読み」は決してマイナスだけではありません。
問題はそれを続けることであって、「返り読み」それ自体が完全な間違いではありません。
英語に慣れていない最初の段階においては日本語の力を用いつつ、そこから英語を日本語なしにそのまま理解できる工夫が必要になってきます。
具体的にどうすればいいか?今すぐかんたんに実践できる方法としては、英語を読むとき、「語順のまま」で理解するクセをつけることです。そして、無理に日本語に訳そうとしないことです。
英語を語順のまま理解しようとすることは、最初は違和感を感じるかもしれません。ですが、そのうち慣れます。そして、「返り読み」を卒業できたときは、世界がガラリと変わります。
「返り読み」の解決策をもっと具体的な方法についてしりたい方は、こちらの記事をご覧ください。
関連記事:返り読みの具体的なデメリット&矯正のコツ
まとめ
ここまでの内容を簡潔にまとめます。
「返り読み」とは、英語を日本語式に語順を変えて理解する読解法です。「日本語を使って英語を分かりやすく理解するため」には便利ですが、ずっと続けていれば、いつまでも英語を自然なスピードで理解することができません。
そのため、英会話をはじめ、TOEICなど短い時間に大量の英語を理解、処理しなければいけないテストでは、全く歯が立ちません。「返り読み」は英語学習の初期段階に利用し、少しずつ卒業していくのが安心です。
最後に
以上、日本人の英語学習者なら自然に使った経験がある「返り読み」についてご紹介しました。
「返り読み」は日本語で英語を理解するための伝統的な方法です。必ずしもマイナスオンリーという話ではありませんが、近年の「速度」を求められる英語事情においては、頼り続けるのは難しいと言えます。
理想は今すぐ英語を返り読みせず、「語順のまま」理解できるようになることです。それが本当の意味で重要な英語力となります。必要なタイミングで返り読みは、卒業することが大切です。ぜひ参考にしてみてください。