どちらが大切?英文法VS英会話

異文化コミュニケーション

どうすれば、英語をモノにすることができるのか?

英語上達のノウハウ・考え方はたくさんありますが、大きく分けると次の2つに分類することができます。

文法重視とコミュニケーション重視、この2つです。

「文法だけでは英語は話せるようにならない!」

「コミュニケーション重視の学習は本当の力がつかない!」

など、様々な意見があります。初心者の方は、「どれが正しいんだ!」と迷ってしまうかもしれません。

そこでこの記事では、これから英語学習に取り組む初心者の方に向け、それぞれの学習のメリット・デメリットをポイントを絞ってご紹介しています。

英文法重視か英会話重視か。英語学習の参考情報として、ぜひチェックしてみてください。

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結論はこちら

まず最初に結論をご紹介します。英語学習において文法とコミュニケーション、どちらも両方大切です。

「文法?そんなものを勉強する必要はありません」という考え方も、「英語は文法こそが重要です。コミュニケーションのための特別な勉強は必要ありません」とい考え方も、偏っています。

大切なのはバランスです。一方に偏らず、ニュートラルな立場に立ち、柔軟になることで、効果的に英語を学ぶことができます。以下、その理由についてご紹介します。

英文法と英語力の関係

文法重視の学習は、私たち日本人には馴染み深い考え方です。

この記事をご覧の方のうち、大半の方は中学・高校と英語を学び、be動詞、比較、現在完了などの文法用語を学んできたと想像します。

文法用語は文法を学ぶための用語なので、理屈っぽさを感じ「苦手意識」を持った方もいらっしゃるかもしれません。その必要性や重要性について、今ひとつピンと来ていない方もいらっしゃるかもしれません。

英文法は英語という言語を理解するための知識です。いわば、ルールを知るための知識です。私たち日本人は、英語を母語とはしていないノンネイティブです。

英語のノンネイティブが英語という言語を理解するためには、日本語という母語を使って英文法を学ぶ必要があります。それによって、英語という言語の仕組みを理解することができます。

その上で、次のようなメリットとデメリットがあります。

メリット

文法重視の英語学習の場合、英語を理論的に学ぶことができます。語順、語尾変化など、様々なルールを、一定の法則に従い、理屈として英語という言語の仕組みを理解することができます。

文法は仕組みなので、一度身に付いた英文法知識は記憶に残りやすく、英語学習のあらゆる場面でその効果を発揮します。

そして重要なことは、英文法を学べば自分で英語の文を組み立てる力を身につけることができるようになる、ということです。

英文法を理解し身につけることで、自分の考えを英語で伝えることができるようになり、英語をツールとして使いこなせるようになります。

デメリット

英文法は英語という言語の仕組みを知る知識です。ですが、英文法をマスターしたからといって、イコール即座に英語を話せるようになるわけではありません。それは「頭ではわかっていてもできない」というイメージが分かりやすいかもしれません。

英語は、「英語を使う」という練習や経験を通じて、使えるようになります。そのため、英文法の勉強はマストですが、覚えた知識を即座に使える練習もまた、必要なのです。

また、英文法は理論的な内容なので、その独自の専門用語がどうしても肌にあわない場合もあります。

面白いことに、英語学習者の中にも、文法が面白いという人、文法が面白くない人がいます。面白いと感じる人なら問題ないのですが、後者の場合、文法学習が原因で英語に苦手意識を持ってしまうこともあります。

ちなみに日本において英語は受験において大きなウェイトを占めています。そこで点数を取るには英文法の知識が必要(前提)です。

こうした環境からか、学校で「英語学習は科目→テストで点を取る」という発想の授業を経験するため、文法嫌いを生む原因になっているのかもしれません。

コミュニケーション中心の学習

近年公教育でも重視されているのがコミュニケーション重視の英語教育です。

「英語が使われる場面」を想定し、そこで使われるフレーズを覚えるなど、「会話」重視の学習方法です。

「ショップではこのフレーズ」、「日常コミュニケーションではこのフレーズ」というように、英語を使う場面を想定した学習が特徴です。

確かに、会話を通じて「この場面ではこうした英語が使われる」ことを知り、英語のフレーズを覚えていくことには一定の効果が期待できますし、ある意味で即効性があります。

こうした前提をもとに、コミュニケーション重視の英語教育についてのメリットとデメリットをご紹介します。

メリット

コミュニケーション重視の英語教育においては、文法はあまり重要視されません。

実際の会話を通じて、「このフレーズではこうした文法が使われています」といった説明がされますが、基本的には「この場面はこのフレーズを覚える」というような、チャンクを覚えていくイメージです。

場面ごとに英語に触れ、フレーズを覚えることによって、日常会話レベルの英会話力なら、比較的短期間で身につけることができます。

また「授業」といった雰囲気も和らぐので、カジュアルに英語に触れることができます。この点はコミュニケーション重視の英語教育のメリットと言えます。

デメリット

反面、コミュニケーション重視の英語教育は、文法や英単語のストックといった、地道な英語学習の努力を阻害する恐れがあります。

英語を学ぶ前提として、私たち日本人にとって英語は距離感の遠い外国語であり、私たちには日本語という母語があります。

また私たちにとって幸いなことに、「日本で暮らしますが、英語を使わなければ生活することができません」という状況でもありません。

英語はあくまで日本において部分的な場面で意識する言語であるため、コミュニケーション重視の英語教育を受けても、それを今すぐ日常で使うことはありません。

その不足を補うためとしても、英語という外国語を理解するためには、その仕組みを知るための知識が必要になります。そうした知識を学び、身につけてこそ、

・自分の考えを英語で伝える

・ディベートする

・ビジネスで交渉する

・原書を読む

・英語で論文を書く

などの活動が可能になります。

こうしたことは、コミュニケーション重視の英語学習だけで身につけることは難しいでしょう。

メリット&デメリットを中和するために

以上の理由から英文法重視も英会話重視も、「どちらかに偏るのも良くない」というのが自然な結論になります。

私たち日本人にとって英語はあくまで外国語。日本語とは関係がない異質の言語です。それを理解して使うために英文法は必要。ただし文法だけ勉強していても、当然、コミュニケーションの道具として英語を使うことはできません。

だからこそ、バランスが必要なのです。英語という言語を知識として理解する。それと同時に、コミュニケーションで使われる英語も場面的・体験的に学ぶ。このバランスが、大切です。

まとめ

1つはすべて。すべては1つ。英文法も英会話も、英語という大樹の根として、それぞれつながりあっています。

私たち日本人にとって英語は距離感の遠い外国語です。習得するためには英文法も英会話も、両方大切です。

「英語を話せるようになるために文法は必要ない!」

というような極端な考えに走ることなく、必要最低限の英文法をしっかり習得。着実に英語力を高めていくことが大切です。

この記事が英語学習に取り組む初心者の方の参考になれば幸いです。

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