言語習得における興味深い理論、普遍文法説の意味について分かりやすく意味を解説している記事です。
この用語は英語学習(語学の習得)においてとても本質的な内容を提示してくれる、重要な用語です。「人はどうやって言葉を覚える?」という話に興味がある方は、この用語をご確認ください。
普遍文法説とは?
「人には言葉を身につける能力が生まれながらにして備わっている」
これが普遍文法説という、言語習得における1つの仮説です。
提唱者は、言語学の世界的権威として知られるマサチューセッツ工科大学のチョムスキー教授。ユニバーサル文法説の基本的な考え方は、「言葉には共通するルールがあって、文法知識は脳内にストックされている」というもの。
チョムスキー教授によると、人間にはもともと文法能力が備わっており、日本語や英語、独語などの「言語環境」にあわせて、その力を引き出す環境を調整すればよい(パラメータの調整)ということになります。
例えば、日本人は、日本語の文法を学ばずとも、自然に日本語を理解することができます。アメリカ人は英文法を勉強しなくても、英語が理解できます。これらは「人が生まれながらにして言葉、文法を理解できる力がある」ことの根拠になっています。
赤ちゃんが言葉を覚える過程から
赤ちゃんの研究によると、人が言葉を話すようになるまでには、なんらかのプロセスがあり、生後4ヶ月程度の赤ちゃんはLとRの聞き分け、発音の使い分けができると考えられています。
その後の生育の環境(日本人の家庭、アメリカ人の家庭など)によって、聞き分ける力は薄れたり伸びることが判明しています。
このことから、赤ちゃんは世界中のあらゆる言語を習得できる力を持っていることを示唆しています。
それはつまるところ、
「人には最初からどんな言葉を話す能力が備わっている。どんな環境も適応できる!」
という可能性の証。
人の可能性には、いろいろ不思議なことが多いですね。
まとめ
「すべての人は生まれながらにして、どんな言語も話せる能力を持っている」
これが普遍文法説。それは私たちは環境(外部からの言語刺激)に応じて話す言語を決定しているという理論です。
日本で生まれた日本人が日本語を話せるようになるのも、アメリカで生まれた日本人の子どもが英語を話せるようになるのも。国籍の違う両親を持つ子どもがバイリンガルになるのも。人は生まれつき、そういう能力が備わっている証拠なのかもしれません。