「もっと具体的に説明します」
ジョージ・クルーニー、ライアン・ゴズリング主演映画『スーパー・チューズデー~正義を売った日~』(The Ides of March)より。
下記の対話は立候補者同士の討論会で弁舌バトルを繰り広げるモリス知事と上院議員。上院議員はモリス知事の宗教観を攻撃するシーン。
長いですが、アメリカの政治討論を知る上で非常に勉強になるので、そのまま引用します。
日本人には想像できませんが、アメリカにとって、宗派等の問題は、大きなファクターになっているようです。
Senator Pullman:Would you call yourself a Christian?
自身をクリスチャンだと?
Morris:How would that matter?
何の関係が?
Senator Pullman:“I have no idea what happens when we die, maybe nothing…maybe it was like before we were born.” You did write this Governor…
あなたは以前、“死後の世界は想像できない。生まれる前と同じように、無の世界かも”と書いていますね。
Morris:Then let me try and clarify…I was raised Catholic, I am not a practicing Catholic…I have no idea what happens when you die and if the Senator does, then perhaps he should be President. I’ll even vote for him.
弁明しても?私はカトリックだが、死後のことは分からない。もし上院議員が知っていたら、私は彼に投票する。
Senator Pullman:Is that your idea of being specific?
それが弁明ですか?
Morris:Let me be more specific. I am neither a Christian, nor an atheist, I’m not Jewish or Muslim…what I believe…my religion is written on a piece of parchment called the Constitution.
ではより具体的に。私はクリスチャンでもないし、無心論者でもない。ユダヤでもないし、イスラム教徒でもない。私が信じるのは紙に記された憲法だ。
Morris:Meaning I will defend, till my dying breath, your right to worship, in whatever God or lack thereof you believe in, as long as it doesn’t hurt others. I believe we should be judged as a government by how we take care of those who can’t take care of themselves. That’s my religion.
だから私は死ぬまで信教の自由を守る。他人を害さない限り、人はどんな信仰ももってよいのだ。弱きものを守ることが政府の役目だと信じているからだ。これが私の信仰だ。
Morris:If you feel that I’m not religious enough, then don’t vote for me. If you feel I’m not experienced enough or tall enough then don’t vote for me.
もし私の信仰心が足りないと思うなら、投票は結構。経験や背丈も足りない?なら投票しないことだ。
このフレーズに注目!
Let me be more specific.
もっと具体的に説明します。
何かを説明していてより詳しい説明をしたいときに使うフレーズです。
相手に「もっと具体的に話して下さい」と言いたい場合は、Could you be more specific?でOKです。
相手の話がいまいち理解できない。具体性がない。そういうときはこの英語で詳しく話を聞きましょう。
このページの英語表現
Christian = キリスト教徒
clarify = はっきりさせる、浄化する
Catholic = カトリック教徒
atheist = 無神論者
Jewish = ユダヤ教徒
Muslim = イスラム教徒
thereof = それの、それについての
映画『スーパー・チューズデー~正義を売った日~』について
アメリカの大統領選挙を映画化した作品。
日本の首相選挙とは違い、アメリカでは4年に1度、大統領の選出をめぐって、大きなキャンペーンが実施されます。
立候補した人たちが選挙戦をどうやって戦っているのか。その舞台裏を描いたのがこちら。
勝つためには手段を選ばない男たちの激闘がそこにあり。陰謀渦巻く政治の世界のリアリティが興味深い映画です。