「あとで話そう」
エミネムの自伝映画『8mile』(2002年)より。
冴えない暮らしに夢を抱きつつも、退屈な仕事に向かうジミー(エミネム)と友人のウィンクとの会話から引用。
Wink:What happened last night? I heard you got caught out.
昨夜はどうしたんだ?やばかったんだってな。
Jimmy:Yeah?
そうか?
Wink:Yeah.Why are you still going to The Shelter? There’s nobody there but clowns who ain’t got deals and never will. You need to stay at home. You know Wink’s got you.
あぁ。なぜ”シェルター”に出るんだ?あんなところで買ってもスカウトされないぜ。お前は家にいればいいんだ。このウィンクにまかせておけよ。
Jimmy:Whatever, man.
どうでもいいし。
ウィンクは音楽業界でコネを持っている男。ジミーのテープを様々な関係者に提供しています。
Wink:I’m telling you, I’m on my way. I’m taking you with me. You’re the franchise, baby.
いいか、俺がお前をビッグにしてやろう。フランチャイズで大成功さ。
Jimmy:The franchise? I’m taking a bus to work.
フランチャイズ?俺はバスで仕事に行くんだぜ。
Wink:Look, I was just on the horn with my man Roy.
ダチのロイから電話がきたんだ。
Jimmy:The promo guy?
プロモ屋の?
プロモ屋=プロモーションをする人を指します。
Wink:Yeah.Roy’s all hooked up at 98.
俺はラジオ局にコネがある。
Jimmy:So what’s he need you for?
奴がお前に何の用だ?
Wink:What’s he need me for? Talent, dawg. You know that’s my specialty. I’m the one that tipped him on Big O, and got that fat man out of flipping burgers at Mickey’s D’s. Roy liked what he heard, paid for the nigga’s demo, and boom, just like that, Big O got a deal, all because of me.
奴が俺に何の用だって?才能ある奴を探すのが俺の仕事なのさ。ビッグ・オーを紹介したのだって俺だぜ。ロイはやつのデモに金を払い、すぐにビッグ・オーと契約した。俺の力さ。
Jimmy:Roy paid fo Big O’s demo?
デモに金を?
Wink:Every penny. If the thought Big O was hot, wait till they hear B-Rabbit. I’m building an empire and I’m taking you with me. You’re next.
そうさ。奴らにB・ラビットを聴かせてやろうぜ。俺は大物になる、お前と一緒にな。次はお前だ。
Jimmy:All right. I’ll talk to you later.
そうか。あとで話そう。
※不適切な単語が含まれるため、一部会話と単語を削除しています。
このフレーズに注目!
(I’ll) Talk to you later.
またね。
別れ際、「またね」と言いたいときに使う英語。
直訳は「また話そう」ですが、そこまで深い意味はありません。See you later.と同じような感覚で使えば大丈夫です。
このページの英語表現
get caught out = 窮地に追いやられる
映画『8mile』について
アメリカの人気白人ラッパー、エミネムの生涯を描いた自伝的映画です。
エミネム自身が出演し話題を集めましたが、それはただのプロモーション活動にあらず。実際は、エミネムの人生。そして音楽。それがまさに映画に込められた最高の物語です。
ラップに興味がなくても、なぜアメリカでラップが大衆性を得ているのか。そのメッセージ性はどこからやって来るのか。それを知ろうとすれば必ず、アメリカ社会の現実を知ることになります。
エミネムのメッセージは過激で日本人的には乱暴に聞こえることも少なくありません。
しかし、かつての政治家のセクハラ事件を皮肉ったメッセージなど、そこには常に、そのメッセージを発する必然性を感じさせます。
映画『8mile』では、物語を通じて、エミネムの生き様。音楽の源泉を垣間見ることができます。