学生の頃、ある帰国子女がいました。
その子は親の仕事の関係で、小さい頃からアメリカで暮らしを経験。英語をペアペラ話すし、発音も「本当に日本人の英語?」と思うくらい流暢なものでした。
そんな存在を身近に見て、自分もそうなれたらいいなぁと、ボンヤリ思っていました。
しかし、当時の私の英語の成績はそれほどよくありませんでしたし、自分が英語を話せるようになるとは思いもしませんでした。
英語を学ぶことは新しい世界の扉を開くこと
でも、不思議なことに、ビートルズとの出会いから始まり、大学では英語を専門に学び、塾などで子供に教えるようになり、何かと英語とご縁ができました。
大学4年時には、教育実習の赴任先でアメリカ出身のネイティブの先生(AET)と英語で授業をさせていただきました。授業以外でも、アメリカでの生活、日本に来た経緯など、貴重なお話を伺いました。
このとき初めて、国籍、文化、生活環境の違う他国の人と、日本語以外の言葉で話す楽しさ、コミュニケーションの楽しさを経験。
「英語を勉強してきて良かった!」と実感しました。それは、「英語が話せる、それは楽しいことなんだなぁ」というシンプルな感情でした。
自分の話した英語が相手に伝わる、そこからキャッチボールが広がる、そこで外国の人の暮らしや生き方を知る。この異文化体験こそ、英会話の何よりの楽しさだと、私は思います。
「あこがれから始まり、コツコツ続けた。気がついたら、英語を話している自分を発見した」
そんな不思議な感じです。
ただ、続けるだけでいい
私のこの体験から思うのですが、「継続は力なり」とは真実だと感じています。
最初、自分の実力がなくても、コツコツ、本当にじっくり取り組んでいけば、数年後には確実に何かが変わります。
そして、続けていたこと、努力してきたことが、1つの結果として花開くとき、そこには今まで自分が知らなかった、素晴らしい世界が待っています。まさしくそれは、人生が変わるきっかけになります。
話せなかった英会話ができるようになること。できない→できるようになった体験をした人は強いです。特に、英語のようにコツコツ勉強する必要があるスキルの場合はなおさらです。
「難しくて手が出ない、でも続けてみる」
すると、できないことが少しずつできるようになってきます。
この期間は人によって1ヶ月かもしれません。3ヶ月の人もいるでしょう。
でも、この「できない」期間を乗り越えると、面白いように自分のレベルがアップしていることに気がつきます。英語もそれに近い感覚です。
「今」できなくても気にしない
テキストや文法を読んで、英語を勉強します。でも、「分け分からない」、「聞き取れない&話せない」という時期を経験します。
それでもあきらめずにコツコツ勉強していると、少しずつ英語感覚が見についてきます。
リスニング教材の音声も、「分かる!」ようになって、英語もカタコトから話せるようになっていきます。
この状態でまたコツコツ、続けていくと、ニュースや洋画の字幕など、分かる範囲が更に増えていきます。気がついたら、以前はできなかったことを、ラクラクとこなしている自分を発見します。
この変化は何なのでしょう?答えを探すため、いろんな本を読むと、ブレイクスルー(限界突破)体験などと言われていることを知りました。
量質転換の論理ですが、「やったことは、自分のモノになっていきますよ」という考え方です。
私の場合、高校と英語の学力(いわゆるペーパー)は誉められたものではありませんでしたが、それでも続けていたことに大きな意味があったことに気がつきました。
自分が何気なくしていたこと、例えば毎日歌詞カードを見ながら、洋楽を聞いていたこと。そういった小さな行動が積み重なった結果、自分の中に英語の下地が生まれていたのかもしれません。
続けていれば未来が変わる!
このように、日々のほんとうに小さなことを続けること。それがあこがれを現実に変える秘訣です。
だから今英語が全然できなかったとしても、それで英語が話せるようになることを諦める必要など一切ありません。それをあなたに知って欲しいと思い、最後にこちらの話をご紹介します。
何かの本で読んだのですが、それはある剣道の達人の方のお話です。
その方は、学生時代に剣道部に所属していました。ところが、人一倍練習を続けていても上達せず、どんどん同僚に先を越されます。
それでもその方は気にせず、マイペースに剣道をコツコツ、続けていたそうです。
そうしているうち、同僚たちを追い越してどんどん上達し、気がつけば剣道の達人と言われるようになったそうです。
「もっと上手くなりたい!」
という欲求を忠実に持ち、そしてコツコツ続けること、
すると、ある日、ある瞬間、やっていたこと、続けていたことが形になり、自分の中の何かが変化します。
そのときになってあなたは、自分のあこがれが現実のものになっていることに驚くかもしれません。このことはぜひ、頭の片隅にでも入れておいてほしいと思っています。