和訳に頼りすぎない!日本語で英語を理解する注意点と解決策3つ

英単語の意味を辞書で調べています

「英語を話せるようになりたい!」

そこで大切なのが日々の英語学習を継続すること。

中学校の英語の授業で教科書の英文を読み、単語を辞書で調べたように、初心者の方の場合この方法は有効です。

コツコツ英単語や文法を覚えて、英文を正しく日本語に訳していくことは、地味ですがとても大切なステップです。というのは、学習の初期段階では、どうしても英語を日本語のイメージで理解する必要があるからです。

そのため英語を身につける初期段階では、英文を丁寧に理解するために日本語をフル活用して英語を理解するプロセスが必要です。

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英語学習の初期段階は日本語が必須。ただし

とはいえ、英語を正しい日本語に翻訳していく。この段階では単調作業が多く初心者の段階では労力と忍耐が必要です。

わざわざ辞書で単語を調べ、発音記号を読んで、地道に地道に英文を訳していくので、「本当にこんな作業で英語ができるようになるの?」と思うのかもしれません。

ただ、こうした地道な作業をこなすうちに英会話で必要な単語や、基本的な文法、表現が身につきます。何より英語それ自体に慣れてきます。すると、だんだんと英語への心理的な「抵抗感」が薄れてきます。

基礎を身につける必要がある初心者の段階だからこそ、一見地道な作業をコツコツ続ける価値があります。

具体的な目標としては、少なくとも高校3年までの英語の教科書レベルの英文は完璧に理解できるまで頑張ります。単語、文法、構文を覚えます。この段階までは、日本語を用いて英語を理解することは必要なプロセスです。

初心者の方はまず「中学3年間で習う英語」を徹底マスターしてみましょう。その段階で世界が変わり始めます。

ただし、こうした方法を続けるのはあくまで「高校英語レベル」まで。それ以上和訳にこだわると、メリットよりもデメリットが大きくなるので注意が必要であるということ、この記事であなたにお伝えしていきます。

和訳にこだわることのマイナス面とは?

なぜ和訳にこだわり過ぎてはいけないのか?その理由は主に2つあります。1つは英語脳の育成。もう1つはTOEICなどの「英語試験」対策のためです。

和訳は英語を日本語に当てはめて理解すること。上達に必要なプロセス(過程)ですが、やがて手放す必要があります。英語を勉強していく上で目指すべきは、英語を日本語なしでそのまま理解できる「英語脳」を身につけることです。

一般的に、ある程度英語をインプットしていけば、自然に英語を日本語に直さなくても理解できるようになります。しかし、和訳にこだわりすぎるとどうなるか?

英語→日本語というクセ(=英語を日本語を使って理解しようとするクセ)が抜けません。そのためいつまでも英語脳が身につかないのです。

英語を日本語で学び続ける現実的なデメリット

また、和訳にこだわり英語を日本語で理解しようとするクセがつくと問題になるのが、TOEICやTOEFLなどの英語試験です。

これらの試験は、「試験時間内」にリスニングや長文読解など、大量の英語を瞬時に処理し、理解する必要が出てきます。問題はこのときです。日本語で英語を理解するクセができていると、時間内に対応ができなくなります。

瞬時に流れる英文を聴き取り、その内容を理解する。大量の英語の長文をサクサク読み、その内容を把握する。このとき、英語を理解するために毎回日本語を使っていたら?処理スピードは劇的にスローダウンしてしまいます。

「大量の英語を瞬時に、かつ正確に理解する」スキルは特に、英語試験で求められる重要なポイントです。

もしあなたが有名私大や共通テストの英語問題を解いた経験があるならご存知かもしれませんが、試験では大量の英文を処理する必要性を瞬時に実感したことでしょう。

それはTOEICやTOEFLも同じです。大量の英文をいちいち丁寧に和訳して理解していたら、時間切れアウトは確実です。

英文を熟読し、内容を深く理解するための読解スキルも大切ですが、現在は特に、大量の情報を処理できる英語の「スキル」が求められています。そのスキルを身につける前提条件こそが、英語を日本語に訳さずとも理解できる力なのです。

和訳を卒業するベストタイミングがこちら

英語を日本語を使わずに理解する。

これは難しいことに思うかもしれませんが、ある程度英語に慣れてくると不思議な経験をします。英語を読んでいると、わざわざ日本語に訳さなくても理解できるようになります。

文字通り、”I am Sam.”という英文を「私はサムです」ではなく、”I am Sam.”のまま内容を理解できるようになるのです。

英語の勉強を続けていくことであるとき、日本語で理解しようとしなくても英語を自然と理解できていることに気がつくのですが、どうすれば意図的にその状態へ近づくことができるのか?

現時点で、「100%この方法が正解です!」という科学的に証明された方法はありません。ですが、経験則として言えることがあります。正しい答えはありません。それは「適切な方法で英語の勉強を量をこなす」ということです。

そこで意識したい方法がいくつもあります。まず意識したいのは英語を「語順のまま」読むクセ(後述)を身につけること。

その上で、

・毎日英語をたくさん聞く

・毎日英文を読む

・毎日音読を続ける

というように、毎日英語に触れる時間を作っていきます。「量」をこなしていると、あるとき突如、変化が訪れます。すなわち、英語をいちいち日本語に訳さなくても、そのまま意味が分かるようになります。

おすすめは多読多聴。その理由がこちら

ブレイクスルーを迎えるために特に意識したいのは、英文の多読&多聴です。

たくさん英語に触れて、しっかりと「熟読の期間」を経た後は、いろんな英文に触れ、徹底的に、大量に英文を読んでいくのです。

このとき重要なことは、和訳にはあまりこだわらないことです。英語を語順のまま理解し、日本語に正しく訳そうとしないことです。訳す場合は分からない英文、構文のみ訳します。それ以外はどんどん読んでいきます。

こうした作業を繰り返すうちに、だんだん英語をそのまま理解できるようになってきます。つまり数稽古をこなす、といった感じです。

そして、その英語を音読したり、CDを何度も再生して英文を聞いていると、「英語を和訳しなくても意味が何となく分かる」という段階に到達します。この段階に到達すれば、英語力はかなりアップしています。

英会話をするときも、TOEICなどの英語試験でも、以前よりも容易に、取り組むことができるようになります。

さらにもうひとつ情報を

近年言語習得の理論として注目される「第二言語習得理論」。

英語習得の科学的な研究の成果をもとに、効率に英語を習得できると注目されていますが、ここで英語を英語のまま理解するためのキーワードが登場します。それが「認知文法」です。

難しい話はおいておいて、ポイントは「普段の学習の方法によって英語をそのまま理解できるようになる」ということです。具体的には英語を日本語に訳して理解するのではなく、「頭のなかにイメージを思い浮かべて理解する」方法です。

I have an apple.という英語を見たとき、「私はりんごを持っています」と日本語に変換しようとするのではなく、「自分がりんごをもっているイメージ」を頭に浮かべていきます。

これによって、英語をそのまま理解できる脳を作ることができるという点が、興味深い方法です。

結局のところ、英語力を身につけるための重要なポイントは「いかに母語の力なしに英語を理解できるようになるか?」という点です。

英語を日本語に訳さず、イメージ化して理解していく。こうした方法を取り入れることで、英語脳の育成に効果が期待できます。

関連情報:英語の頭はこれで作る!「認知文法」とは?

どうしても日本語に訳したいときは

英語力を伸ばしていく上で、いつかは「日本語で訳して理解する」という習慣から距離を置く必要があります。

とはいえ、今すぐ和訳から抜けられない場合もあるかもしれません。それに英語学習の初期段階では、英語を日本語で理解する過程もムダではありません。そもそもそれは不可能でしょう。

大切なのは、英語を理解するための日本語の使い方を、適切に工夫することです。そこでおすすめしたいのが、英語を「頭から」(=語順のまま)訳していく方法です。

例えば、”I have a friend who lives in Yokohama.”という英文があります。この場合、丁寧な和訳は、「私には横浜に住んでいる友達がいます」というようになります。直読式の方法は次のようになります。

「私はいる(持っている)・・・友達が・・・住んでいる・・・横浜に」

イメージはつかめたでしょうか。これが英語の考え方です。日本語としてはヘンですが、意味はつかめますよね。

英語の場合、まず「誰が、何が」などの主語が先頭にきて、次に動詞がきます。英語と日本語とは仕組みがぜんぜん違うので、あまり日本語にとらわれているとそこから抜け出せなくなる可能性があります。

もちろん、最初は違和感があるかもしれませんがそのうち気にならなくなります。この方法で和訳をすると、英文を読むスピードが上がり、英語のルールや考え方が理解できるようになります。和訳から抜けられない方はお試し下さい。

語順のままで英語を理解する英文の読み方については別途こちらの記事にてご紹介しています。あわせてご覧ください。

今日から始める!英語の「返り読み」を矯正する3つのステップ

まとめ

ここまでのまとめです。英語学習の初期段階においては、英語を日本語で理解するというプロセスは必要かもしれません。

ただし、高校英語をクリアできるくらいの段階になったら英語を日本語を使って理解するのではなく、英語をそのまま理解できるステップへ向かうことが大切です。

そのための方法として

1.多読多聴する

2.認知文法を活用する

3.英語の読み方を工夫する(語順から理解する)

という方法をご紹介しました。

英語を日本語を使わず理解できるようになれば英会話はもちろん、TOEICなどの試験でも大いにその効果を実感することができます。「日本語を使わない」ということを、頭の片隅に入れておく価値があります。

最後に

英語を「英語のまま」理解する。

このスキルは英会話、英語試験、あらゆる面で必要とされる能力になります。そして、この能力を身につけるためには、日々の学習が欠かせません。ただし、最初の段階においては日本を使って英語を理解するというプロセスが必要になります。

英会話初心者の方は、このページでご紹介している、英語を語順のまま理解していく方法でインプット重視。英単語、文法を習得していくことが大切です。

必要な取り組みを継続することによって、必ず英語力は変化します。「英語を話せるようになりたい!」という初心者の方は、ぜひ参考にしてみてください。

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