ある本※を読んでいたら、明治の文豪、夏目漱石の英語学習法について書かれていました。
漱石は『吾輩は猫である』や『こころ』など、日本文学を代表する古典的作家の1人です。漱石は英語に親しく、高等師範学校で英語教師を勤めたり、政府の名でロンドンへ留学しています。
その本によると、漱石は留学時代は英語に苦労し、マスターするためにしていた方法が多読だそうです。意味が分かろうが分かろまいが、ともかく原書を読んだそうです。2年間の留学時代で読破した原書の数なんと500冊!すごいですね。
英単語は意味が分からなくてもともかく読む?
漱石の英語学習の基本は次のような方法だそうです。
①英語の基本的な知識を勉強する
②ひたすら原書を読む
③「読み続けていけば」最終的に分かるようになる
大切なポイントを要約すればこうなるのですが、更に補足で大切なポイントが2つ、ある気がします。
1つは、基本を身につけたら、後は英語と向き合う時間を増やすこと。2つ目は、ほどほどのスタンスで英語の学習に取り組むこと。
まずは英語という海に飛び込みこと。たとえそこで溺れそうになりながらも、英語に触れる時間を強制的に増やしていく。
次に、内容が理解できても、できなくても、ともかく続けること。
「分からない英文・分法・単語をそのままにしておくと、何となく気になる(勉強した気にならない)・・・」、こういう感覚、ないでしょうか?
日本人は英語に対して完ぺき主義的な傾向が強いので、アバウトに英語に取り組むのは、ある意味努力が要るかもしれません。
・ともかく英語に触れる
・やり続ける
英語上達のためには、大切なことはシンプル・イズ・ベストという話なのかもしれません。
漱石が語った英語習得の名言
最後に、漱石の著作から、英語をマスターする上での心構えを引用します。
英語を修むる青年はある程度まで修めたら辞書を引かないで無茶苦茶に英書を沢山読むがよい。
少し解らない節があって其処は飛ばして読んでいってもドシドシと読書していくと終いには解るようになる。
又前後の関係でも了解せられる。其れでも解らないのは滅多に出ない文字である。要するに英語を学ぶ者は日本人がちょうど国語を学ぶような状態に自然的習慣によってやるがよい。
即ち幾変となく繰り返し繰り返しするがよい。ちと極端な話のようだが之も自然の方法であるから手当たり次第読んでいくがよかろう。
夏目漱石『現代読書法』より
文豪がどのように英語をモノにしたか、現代の私たち英語学習者にとっても参考になる話だと思います。
まとめ
かの漱石がロンドンの留学時代に身につけた英語の習得法。それが原書の乱読。
分からないところがあってもともかく読む。読むことを継続する。たったそれだけのことですが、あの漱石が言っていること。説得力があります。
ということで、英語がスラスラ読めるようになりたいなら、原書を乱読。100冊200冊と読んでいると、ある時グッと、一皮むけられるときが来るかも。
以上、漱石と英語の豆知識でした。