部屋を大掃除していたとき、昔読んでいたイングリッシュジャーナルを見つけました。パラパラとページをめくると、興味深い文を発見。そこにはこう書いてあります。
英語はスポーツ、話せるようになりたい人は、リピーティングで英語の筋肉をつけよう
日本人が英語を自由に話せないのは英語を話す練習が圧倒的に不足しているから。
野球の試合に出る前にキャッチボールや筋トレをするように、英会話にも基礎トレーニングが必要です。
(『イングリッシュジャーナル2003年12月号』P140の広告から引用)
この文章はアルクのリピーティングマラソン(※現在販売中止の教材です)の広告ですが、読んでいておもわず「上手い!」と首をタテに振っていました。
英語=スポーツという比喩は、かなり真実に近いと思ったからです。
英語を覚えるだけでは不十分?
実際、英語を話せるようになるためには、いわゆる実戦経験がものをいうのではないかと思います。
いくら部屋で英単語を暗記し、文法を覚えても、それだけでは英語を話せるようにならないのが現実だからです。
英単語や文法を暗記するのはインプット学習(英語の知識を頭に入れる学習)で、覚えた知識は、暗記しただけでは使えません。
英会話の場合、「相手と話す・相手の話を聞く」というコミュニケーションが基本です。
覚えたことを使えるレベルにする必要があります。そのために必要なのが、アウトプット学習です。
つまり、英語を話せるようになるためには、
・知識を覚える学習
(英単語、文法など=スポーツでいう基礎体力)
・覚えたことを実戦で使うための学習
(リスニング、スピーキング=実際の技術力)
これら2つの力を伸ばす学習が英語を話せるようになるためのカギになります。
私達日本人の大半は中高と文法漬けの英語体験をしますので、知識面(インプット学習)は経験値が高いはずです。
にも関わらず、「日本人が英語を話せない」理由は、「英語を話す練習が圧倒的に不足している」、つまり実体験の不足に原因があるのかもしれません。
体で覚える!
このように英語を考えてみると、英語=スポーツという理由も納得できるのではないでしょうか。スポーツ経験のある方なら体験されたと思いますが、いくら競技のルールを勉強しても、すぐに身につきません。
例えば、サッカーでオフサイドというルールがあります。このルールを知識として知っていても、実際の試合で使うまでは、本当の意味で理解ができないと思います。
レフリーに「ピピー!」とやられながら、「体で覚えていく」というニュアンスが近いと思います。英語も同じで、単語や文法を覚えたイコール、それらをすぐに使えることを意味するものではありません。
be動詞のルールにしろ、助動詞の使い方にしろ、問題を解いたり、実際の場面で英語を使ってみて、知識が体に染み込んでいきます。
この意味で、英語を話せるようになるためには、地道な筋トレが必要なのかもしれません。シャドウイング、英語日記、音読、スピーキングの練習、日々の努力です。
確かに、これらの方法は地味です。ハッキリ言えば、「わずか○日で英語がペラペラになった!」ということは絶対にありません。効果が出てくるのは、半年~1年、中には2年、3年かかる場合もあります。この点も、スポーツと似ていますね。
体を鍛えるために毎日腹筋100回していても、目に見えて体がシェイプになる(結果が出る)には、かなり時間がかかります。そのかわり、一度ある程度体がしっかりできれば、そこそこのスペックを維持できます。
英語もそうですが、成長に時間がかかるかわりにあるレベルまで行くと、スキルが安定していきます。
一方、短期的に英語を話せるようになる方法もあると思います。例えば、お金と時間に余裕があるなら、海外の大学に留学(日本人留学生がいないのが条件)するのもアリかもしれません。
英語が話せるようになる一番現実的な方法は?
これは、自分から英語オンリーの環境を作る方法です。
24時間問答無用で英語漬けになるので、やる気がある方なら2ヶ月~3ヶ月くらいで日常会話くらいなら上達するでしょう。
この意味で、強制的な英語オンリーの環境を入手することができる語学留学は効果が期待できます。ただし、日本人同士で群れないことが絶対条件です。
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この場合、お金と時間に余裕がある方でないと厳しい点がマイナス。
また、「海外留学と同じ効果を得るために1日6時間英語漬けの生活をする」という方法もありますが、大半の人にとって、非現実的な方法です(よほど時間の自由な方を除く)。
そこで、もし一般的な日本人である私達にとって「英語が話せるようになる方法」があるとしたら、短時間でもよいので、インプット+アウトプットの地道かつ継続的な学習が一番現実的だと思います。
このためには筋トレのように毎日継続的に英語と取り組む方法がよいでしょう。1日30分、1時間、できる範囲で、コツコツ続けていきます。
この方法で、短期間で結果を出すことは難しいでしょう。が、少なくとも、努力した分、確実に見返りはあるはずです。毎日の筋トレのように、やった分だけ努力が実るときが来るはずです。
まとめ
ここまでのまとめです。英語=スポーツという考え方はまさにぴったりの表現です。
知識を覚えるだけでは使えなくて、覚えた知識を実際に使ってこそ、本当に自由自在に使えるようになるという意味で、まさに英語はスポーツと同じ。
英語を話せるようになるにも、勉強はすることは大切ですが、勉強したことを使う練習が必要です。独学でコツコツ頑張ることも大切ですが、勉強した英語を使う機会を作ることによって、英語が使えるようになります。
英単語や文法を覚え、英文を読む、聴くだけでなく、英語を声に出して読んだり、書いたりして、実際に「使う」ことが大切です。
最後に
英語を話せるようになるためには覚える+使う。この意味でスポーツという表現とはとてもぴったりです。
勉強することは大切です。でも勉強だけでは不十分。覚えたことを実際に使ってこそ(=覚えるだけでは不十分)、本当の意味で英語を身につけることができます。
英語を勉強するときは、覚えたことを使うこと。覚えるだけ=勉強するだけで終わらないことが大切です。
以上、「英語はスポーツ。理屈を覚えるだけではできない」という話でした。