日本の名前は「姓・名」の順、英語の名前は「名・姓」の順の話

名前付きの女性

自己紹介するとき、日本語の場合はまず名字、そして自分の名前と続きます。一方、英語の場合はまず名前から。その次に名字が続きます。考えてみれば不思議な話ですね。

そこでこの記事では、日本語の名前と英語の名前について、由来や考え方など、かんたんな話をご紹介します。ちょっとした豆知識として頭に入れておくといいかもしれません。

はじめに

名前の順番というのは大まかに東洋式、そして西洋式に分類することができます。

日本のように、「名字が先で名前が後」は、日本をはじめ中国や韓国、そして東南アジアの国々で使われている方式です。ではなぜ名前ではなく名字が先なのか?それを理解するキーワードが「価値観」です。

例えば中国では「血縁関係を重視する」という価値観が知られています。自分を示す名前よりも、まず家族の名字が来る。それはすなわち、まず自分の前に家族があるという価値観に基づいていると考えることができます。

この意味で、姓→名という東洋式は文化的な価値観がもとになっていると考えることができます。

西洋文化は個人主義。そこで

一方、イギリスやヨーロッパ、アメリカといった西洋の国々ではまず名前、そして名字が続きます。

今では日本でも当たり前になっている「個人主義」という考え方はもともと西洋文明からもたらされた考え方です。個人主義は家族や社会の前にまず自分。I、そしてselfが重視されます。

そう考えれば家族や家系を示す名字ではなく名前が先に来るのも極めて自然です。名字が先か名前が先か。ちょっとしたことですが、そこには文化的な価値観の違いを垣間見ることができます。

ちなみに、西洋の国々は名前→名字ですが、ハンガリーの場合は別。ハンガリーはヨーロッパの国ですが、名前が先ではなく名字が先になっています。いわゆる西洋に分類されるの国々でも、個人の前に家族を中心とした価値観を持つ国はあります。

英語の名前、そして名字

英語の名前、そして名字には様々な表現があります。まず名前として一般的に知られているのはfirst name。そのほか、 given nameという表現もあります。

名字としてはfamily nameのほかlast name、 そしてsurnameという表現があり、日本ではfamily nameがよく知られているかもしれません。英語の書類ではlast nameを見かけます。

ちなみに、私たち日本人がローマ人表記で自分の名前を書くさいは、姓→名の順に書くことが2020年1月に政府によって決定されています。

【例】Yamada Taro

英語で名前を書く際は、名→姓ではなく、まず名字から書いていきます。

姓名とは価値観、そしてアイデンティティー

中国は家族を中心にする価値観を持っている国です。その一方で、西洋は個人を中心とした価値観を持っている国です。

家族を中心とした価値観を持つ中国では自分の名前より名字(家族の名前=一族のルーツ)が来て、個人を重視する西洋では名字の前にまず自分の名前が来る、という仕組みです。

それはいわば、その国や地域が持つ価値観やアイデンティティーであると考えることができます。姓名という一つの視点からも、世界には様々な国があり、それぞれの価値観があることに気づきます。

最後に

以上、名前の順番について、ちょっとした話をご紹介しました。

私が中学生の頃、学校の授業で初めて英語に習ったときに「なぜ名前が先なの?」と疑問に感じたことを思い出します。

国という背後には、長い歴史と文化が存在しています。それはいわば、先人が歩んできた道であり、今につながるまでに残されたものや捨て去れてきたものがあります。そして残されてきたものこそが、その国が大切にしてきた価値観なのかもしれません。

名字は自分が連なる家族や祖先。名前は自分自身。名前の順番の表記という視点でも、そこには様々な価値観を垣間見ることができるのです。

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