「速く読める&大筋を理解できるリーディング力」が求められる時代が到来しました。
有名私大の英語入試問題。かつてのセンター試験、今の共通試験における英語試験。海外留学に必要なTOEFL。社会人が受験機会の多いTOEIC。その英語試験にも共通して求められているもの。
それが「大量の英語を限られた時間内で正確に理解する」スキル。この記事ではそうした時代の傾向を踏まえ、英語試験の長文読解の悩みを解決するためのヒントをご紹介します。
大切なのは「点が取れる」読み方
TOEICやTOEFL、英検など、各種英語資格試験では必ず長文の読解問題が登場します。試験時間内に大量の英文を読み、設問に解答しなければならないので、一見とても大変なように思えます。
が、ご安心を。これらの英語試験で求められる読解力は実はそれほど高度なものではありません。英語の処理法を習慣として身につけていれば解決できる、すなわち設問の内容さえ理解できれば点の取れるものが中心です。
例えばTOEIC。TOEICの場合、リーディングセクションは全て記号式。いくつかの答えから1つ正解を選ぶというタイプの問題が中心です。
聞かれている内容もひねくれた問題は少なく、読解問題の基礎力さえあれば、答えを導き出すことが可能。設問の内容さえ分かれば、あとは長文の中からその該当箇所を効率的に探すだけです。
このスキルさえ身につければ、後はいかに速く英文を読めるかどうか、その問題になります。
この考え方は受験英語にしろ英検にしろ同じこと。一番のポイントは、点が取れる解き方を身につけることです。つまり設問を理解し、その答えが書かれている部分を英文の中から短時間で探し出す力が求められています。
ただしテストはテストです。点を取るためには、単純な英語力に加え、テクニック的な部分も影響してきます。
読解力より必要なもの
英文をスラスラ読んで高得点をゲットする。そのために必要なものは何なのか?
TOEICにTOEFL、英検、各種英語の試験で試されているのは、あなたのリーディング力ではありません。先に述べたように、TOEICなどの試験では英語を読み理解できることは問題を解く前提条件です。
ただし、英語が読めても、テクニック部分で失敗してしまい、点が取れないことは起こり得ます。
例えば、学生時代の国語のテストを思い出してみてください。何となく書いてある内容は分かるけど、「選択式の問題が正答率が低い(もしくは何となく解いて正解)」という経験はありませんか?
あくまでテストはテスト。それを作った人がいます。すなわちテストの問題を解くさいは問題を作った人が想定した解答を選択する必要があるのです。
これは英語の試験に望む上での重要な視点です。ポイントは、いかに(テスト制作者が想定した)正しい答えを見出すかということ。英語の試験で高い点を取るためには、純粋な英語力に加えてこうした視点が必要です。そこでご紹介したい話があります。
解答を論理的に
私が大学受験に望んださいに大変お世話になった先生に、出口汪先生という受験教育者がいます(直接お会いしたことや、先生の授業を受けたことはありません)。
出口先生は私が大学受験生であった当時、「現代国語の神様」と称されていた予備校の先生です。たくさんの著作を出版されていて、私も先生の著作を愛読(5冊くらい買って、全部問題を解きました)、教えの効果を身を持って体感した経験があります。
私大受験の現代国語は、クセが強く、勉強しても成績が上がらないことがよくあります。例えば、センター試験や難関と呼ばれる私立大学を受験された方は分かると思いますが、国語の問題の選択肢が大変まぎらわしいです。
同じ日本語なのに、わざと分かりにくくしてあり、ほんのちょっとの油断が失点につながります。ところが、ある基本的な読解ルールを用いれば、ほぼ全問正解できます。ある基本ルールとは、出口先生が提唱されている論理的な読解法です。
「なぜその答えになるのか」を、論理的に解説した、まさしく読解問題対策の王道的な考え方です。興味がある方は、ぜひ書店で出口先生の本を手にとっていただきたいのですが、この読解法は、英語の資格試験にも大いに役立ちます。
長文で高得点をゲットするために
論理的読解法を身につければ、TOEIC、英検、TOEFL、各種試験で特に効果的。特に、受験する機会の多い&リーディングセクションの時間配分が辛いTOEICにおいては特に重要です。
いわば「読解問題に対する原則」が中心なので、どんな問題にも応用が可能です。また設問の選択に困ったときの対処法として、テクニック的な要素もあります。
例えば、イイスギと呼ばれる解法のルール。「必ず」「全て」など、全肯定(もしくは全否定)など強い言葉の入ったもの、「唯一の」「だけ」など、強い言葉、余計な強調語の入った選択肢は削除するというテクニックです。
このテクニックはTOEICを中心とした英語の長文対策として応用が可能です。
上記の内容を英語試験に置き換えると、問題の選択肢(答えを「a、b、c、dの中から1つ選べ」というタイプの問題)の中に、
「always」
「never」
「only」
的なニュアンスを持つ、断定的な表現がある選択肢は「間違いの可能性が高い」と考え、選択する優先順位を下げます。こうしたテクニック的な情報を知っているだけで、正答率がとアップします。
問題の中に正解がある
TOEICでスコアアップを狙うさいに問題になるのが回答時間です。「時間さえあれば解ける」問題が多いですが、なにせ一つの一つの問題に対する解答時間が短く、そもそも試験時間が長いので、疲労による集中力ダウンも影響します。
そのため回答にあたってはムダに労力を消費しないことも必要です。そこで、怪しい設問はさっさっと消去法で削除し、いかに素早く正しい解答を見つけられるか、そこがスコアアップのカギになります。
選択肢の中から、明らかにおかしいものを消去していけば、正答率が25%から50%、75%と、どんどんアップしていきます。
基本的な読解ルールを押さえておくだけで、マーキング式のテストは飛躍的に点数を伸ばすことができます。
よくある失点の原因として、問題の文章から裏づけを取らず、主観的に解答を選択してしまうクセがあります。例えば、センター試験の国語のテストでは、小説の問題が出てきます。
この手の文学的な問題の場合、
・よく本を読む(特に小説)
・よく文章を書く
・自分の考えをきちんと文章にすることができる
など、国語力、語彙力がある人に限って失点してしまうケースがあります。実際、国語が出来る人ほど、1つの小説からいろんなことを読み取りますが、その分主観的になりがちです。
テストはあくまで問題の中から回答を探す作業であって、「あなたはどう思うか?」は全く関係ありません。大切なのは問題の中に(問題制作者が考えた)答えがあるという前提を忘れないことです。
ポイントは「設問者が考える正しい答え」を選ぶこと
長文の中から正しい答えを見つけ出すこと、この原則は英語の長文読解も同じです。
本文の中から答えを探すこと。もちろん、英語試験の場合、英文が読めることが前提になりますが、読解法の原則は変わりません。
テストで高得点を取得するためには、論理的な読解ルールを身に付ける必要があります。長文読解問題を攻略する王道はシンプルです。
ルール・長文の中に答えがある→その答えの部分を見つけること
そのためには、正しい解答を見つけるための、論理的読解法が大いに役立つでしょう。特に、正しい解答を見つけるための鑑定眼は、あらゆる記号式テストで役立つでしょう。
出口先生の著作は英語とは直接関係ありませんが、TOEIC、英検、TOEFL、各種試験で役に立つと判断し、ご紹介しました。
この記事を書くために、久々に出口先生の書を開いて読みましたが、あらためてそのノウハウの普遍性を感じます。試験で点を取りたい方は、ぜひ本屋で一読されることをおすすめします。TOEICや英検、英語の長文対策で役立つヒントが見つかると思います。
情報の一つとして参考になれば幸いです。
追記
ちなみに、もしあなたが2~3ヶ月の短期間で劇的に英語力を伸ばし、TOEICのスコアを200点以上伸ばすことに興味を持っているなら、こちらの記事をお読みください。
英語の学習時間を短縮することによって、英語学習に発生する費用も総合的に考えればお得に抑えることができるでしょう。