学生時代の知人に、TOEIC900点、TOEFL600点以上という強者がいました。
彼は、英語の原書をサクサク読みこなし、レポートでは精緻な英文をスラスラ書きこなします。
ところが、彼はぜんぜん英語を話すことは苦手なようでした。基本的なあいさつはできましたがネイティブとの会話は、その本来の英語力が存分に発揮できているようには思えませんでした。
その一方、TOEIC・TOEFLともにごく普通の点数を取ってる人が、ネイティブとペラペラ話せる英会話をしている場面を幾度も目撃しました。
普通に考えれば、TOEIC600点の人よりも900点の人の方が英語力があって、「後者の方が英会話もペラペラできるだろう」と考えます。ですがそうでない現実が、確かにあったのです。
そこで両者の違いを私なりに考えたところ、理由は英語を話してきた経験の差だという結論に達しました。
英語は使って本当にモノになる!
英語は確かに勉強することで知識は身につきます。ですが「英語とは何か?」という根本に目を見ければ、「それは言葉でありツールである」という事実に気づきます。
ツールは使い方を学ぶだけでは、完全に使いこなすことはできません。「使う」という経験を通じて、使い方を学んだことが意味を成します。
自動車のように、いくら道路交通法を学んでハンドル操作を本で勉強しても、上手く車を運転することはできません。英語を話すことも、それと同じです。
いくら勉強して、知識を身につけても、実際に英語を話す機会がなければ、英会話力を身につけることはベリーハードです。
私自身、英語が話せるようになったきっかけを考えると、「ネイティブとたくさん話したから」という理由を強く実感しています。
個人的な経験で恐縮ですが、私は大学を出て最初に勤務した職場でネイティブ(スコットランドの方でした)と仲良くなり、1日に2時間~3時間英語を話せるという環境が与えられました。
仕事上、コミュニケーションを取る必要があったので、文法的に間違っていようが、ともかく英語を話す必要がありました。もちろん、最初はたどたどしい内容です。緊張もするし、自分の考えを上手く伝えることができませんでした。
ただ、話しなれてくると、自然と勉強したフレーズが口から出てくるようになります。そして気がつけば、スラスラと口から出てきます。これは、もっぱら英語を話すという実体験を積んだからにほかなりません。
こうした経験から、極論からもしれませんが、毎日ネイティブと英会話をする機会を持てば誰でも、英語を話すことができるようになると考えます。
すなわち英語を話せるようになるためには、
・基本的な英語学習(リーディング、英単語・文法の暗記)→インプット
・英語を話す実践→アウトプット
この2つのバランスが大切なのです。
英語を自由に使えるようになるために大切な「環境」
一番最初にご紹介した知人の例に戻りますが、リアルな可能性としては、TOEIC900点の知人の場合、英語を話す機会を増やすことで、比較的短時間で英語ペラペラになる可能性が高いと言えます。
なぜなら、彼の場合しっかりと勉強を積んでいるのでインプットは十分で、後は話す訓練をするだけで、それまでの身につけた英語を使えるようになる可能性が高いからです。
私たち日本人の多くは、実際に英語を話す訓練が少なく、文法やリーディングなど基礎学習が中心です。この点、外国語教育の現状は、「話す」機会があまりに少ないのが現実です。
そのため、「英語を勉強しているけど、話せない」という方は、単に英語を話す経験が少ないだけの可能性があります。
英会話はある意味スポーツと同じ。英語の上達は実地学習がポイントなので、自分の環境にあわせ、英語を話す機会を増やすことで、新しい発見があるかもしれません。
そこで、もしあなたが英語を自然に話せるようになりたいと考えているのであれば、ただ一人で英語を勉強するだけでなく、実際に英語を使う機会を日々の生活のなかで、作っていくことが大切です。
面白いことに、慣れれば慣れるほど、つまり英語を使う機会を増やせば増やすほど、頭で考えなくても、身体が勝手に英語に反応してくれるようになります。
最初、「それってどういう意味?」とか「どの英語で返そうか」などと考えていても、経験を積むうちに瞬時に反応できるようになります。そのためには「英語を話した量」がモノを言います。
今では英会話スクールをはじめ、リーズナブルな費用で英語を話せるオンライン英会話など、様々なサービスを利用することができます。
英語を自由自在に使いこなせるようになりたい方は、いろんなサービスを検討して、ぜひ毎日のなかで英語を使う機会を増やしてみてください。
使うことに慣れる。そうすれば、何かが変わっていくことを実感できるはずです。
最後に
英語は話す練習をしてこそ自由に話せるようになる。この記事を書くために、自分の経験を改めて振り返ってみると、まさにそのことに気づきます。
もちろん、英語を話せるようになるためにはインプットも大切で、英単語や英語のフレーズをコツコツ覚えていくことはその前提です。
大切なのはインプットで終わるだけでなく、覚えた英語をアウトプットすること。そのための機会を日常生活で確保することが、英語を話せるようになるための環境作りになります。
英語は使って身につくもの。そのための環境を作ることが、大切です。ぜひ参考にしてみてください。
追記
英語を話す機会を増やすことで短期間で英語が話せるようになる前提として「学校で習う基礎的な英語を勉強し、必要な知識を身につける」というアクションが重要です。
当たり前の話ですが、私たちは「知らないこと」「頭に入っていないこと」を話すことはできません。単語や文法など、必要な知識を身につけた上で使う練習をする、ということがこの記事のベースです。
英語を話せるようになるための前提となる土台に自信がない方は、「英会話スクールでネイティブのレッスンを受ける!」というよりも必要な英語力を身につけた方が結果として「急がば回れ」になる可能性があります。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
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